本来コンプライアンス(Compliance)とは、
「(要求、命令などに)従うこと、応じること」を意味します。
しかし一般的には、法令遵守の意味で広く用いられ、
民法や刑法、商法といった法律に関係する話となります。
また同時に、社会的規範や企業倫理を守るという内容も含まれ、
倫理遵守の意味でも用いられています。
そして実現するための指針となる文章、企業の守るべきルールや取り組むべき方針、
不祥事時の対応や改善策などをまとめたものが、コンプライアンスマニュアルです。
私が勤務する証券会社の場合、金融商品取引業者が備えるべき社内規程等の中でも、
最重要級の書類として位置づけらています。
証券取引等監視委員会は、金融商品取引業者に対する検査を定期的に行いますが、
その検査項目の中にマニュアルの作成、および周知徹底が明記されています。
つまり金融商品取引業者はマニュアルの作成が必須ということになっており、
その内容に関しては取締役会等で承認を受ける必要があります。
マニュアルには会社の企業風土、規模、組織体制、業務実態等が具体的に盛り込まれます。
つまり、各企業のオリジナルとなります。
業界により強調される法令も異なり、雛形のある一様なものではありません。
その企業にふさわしいマニュアルを作成することも、大事な課題となってきます。
耐震偽装、食品の産地や賞味期限の偽装、インサイダー取引など業界特有の法令違反があります。
また虚偽や誇大広告などは、すべての業界に共通する法令違反です。
一個人の軽はずみな行動が、会社そのものを倒産に追い込ませてしまう可能性もあります。
したがって法令遵守の意識を高めることはきわめて重要な課題となります。
そしてそれらは単に、文章として存在するだけではありません。
社内研修や、法令遵守の意識を日常的に高める実践が必要となってきます。